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[2007.05.31]
第58回定時総会 割賦販売法の抜本的改正を求める決議
割賦販売法の抜本的改正を求める決議

 福岡県司法書士会は、割賦販売法の改正において、割賦購入あっせん業者に利用者の与信調査義務を課すこと、一定の場合に利用者が割賦購入あっせん業者から既払金の返還を受けられることなど、利用者である消費者の被害が救済されるよう関係機関へ提言するなど、積極的な活動を行っていくことを確認するとともに、割賦販売法の抜本的改正を求める。
 以上のとおり決議する。
2007年(平成19年)5月26日福岡県司法書士会第58回定時総会

【提案の理由】
 2005年に埼玉県富士見市の高齢者の姉妹が悪質リフォーム詐欺による被害にあったことが明るみなったのを機に、全国的に悪質リフォーム詐欺による被害が多発していることが明らかとなった。富士見市のケースでは、3年間で5000万円に達するクレジット契約を締結させられ、自宅を競売にかけられるなど、多大な被害を蒙っている。その他にも着物の次々販売等のケースにおける被害も報告されており、全国的に社会問題となっているところである。このような事件の背景には、不相当な与信に基づくクレジット契約が、販売業者の悪質な販売行為を助長させているという、クレジット契約の問題があることは明らかである。富士見市のケースなどは、信販会社がクレジット契約に対し適正な与信を行っていれば、先述した被害を未然に防ぐことができたはずである。

 現在、政府は、このような問題点をふまえ、経済産業省産業構造審議会内に割賦販売分科会を設置し、本年6月の分科会での中間整理を経た上で、来年にも割賦販売法の改正することを予定しているが、消費者保護のための抜本的改正がなされるかについては、なお予断を許さない状況にある。

 現行の割賦販売法の抱える問題点は、これまでに述べた与信に関する問題点の他にも多岐にわたっているが、例えば、既払金返還の問題がある。すなわち、販売店との売買契約等が取り消されるなどした場合、割賦金の未払い金については、いわゆる抗弁の接続の規定によって、将来に向けた支払いを拒絶することができるが、信販会社に対して既に支払っている割賦金の返還は現行法上また判例上は難しいものと解されている結果、消費者の被害救済の足かせとなっているものである。

 以上のような問題点を踏まえ、これまで消費者問題対策委員会内に悪質商法プロジェクトチームを置くなどして活動を行ない、また、昨年の出資法上限金利の引き下げに関し、地方議会への請願活動を行うなど、消費者問題に積極的に取り組んできた福岡県司法書士会として、この法改正が、利用者である消費者の被害救済されるものとなるよう、行政、国会、マスコミなど関係機関への具体的提言を行うなど、割賦販売法の抜本的改正に向けた積極的活動を行っていくことを明確にすべきである。

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