福岡県司法書士会では、誰も自死に追い込まれることのない社会の実現に寄与するために、2010年より、「ベッドサイド法律相談事業」を実施しています。
2012年8月28日、政府により見直された「自殺総合対策大綱」が「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す」との目標や「自殺や多重債務、うつ病等の自殺関連事象」への偏見をなくす活動の重要性に加え自殺未遂者支援のための再度企図を防止する取り組を強化するとした閣議決定がなされました。
当会の実施する「ベッドサイド法律相談事業」とは、主に自殺未遂をされた方が経済的問題を有する場合に、福岡市との協働により福岡大学病院をはじめ福岡県下の複数の医療機関へ司法書士を派遣し、その法的支援を行うとともに退院後の住居確保や生活保護制度等の各種支援、関係機関への橋渡しなど多様な機関と密接な連携を図り、再度の企図に揺れ動く「いのち」に寄り添い、途切れずつなぎとめるための支援を行っています。
未遂者の数は自死者数の実に10倍以上と言われ、救急医療施設に搬送された未遂者が、精神的治療や社会的要因を解消するための支援を受けられず退院している実情を踏まえ、医療関係者による適切な介入及び社会的な支援の構築が極めて重要であると指摘されています。