平成23年8月3日、「司法書士の日」の記念事業といたしまして「高校生の一日司法書士」を実施いたしました。
1 司法書士の日とは
日本司法書士連合会では、8月3日を「司法書士の日」と定めています。これは、1872年8月3日に太政官無号達で「司法職務定制」が定められたことに由来しています。「司法職務定制」は、わが国最初の裁判所構成法ともいうべきものであり、法制度を支える3つの基本的な職能として、証書人・代書人・代言人が定められました。そのうち代書人は、現在の司法書士にあたり、司法書士の前身である代書人が誕生したこの日を記念日として制定することにより、司法書士一人ひとりがその社会的使命と職能の重要性を再認識し、将来に向かって市民の方々からの期待に応え続けていくことを確認すると共に、市民の方々に対し、司法書士制度の社会的意義を周知する機会としています。
2 高校生の1日司法書士の開催理由
福岡県会においては、上記の「司法書士の日」の記念事業といたしまして「高校生の1日司法書士」を実施いたしました。開催趣旨としては、福岡県会においてはこれまでにも社会生活を送る上で必要となる法律知識や法的思考力を身につけていただく「青少年のための法律講座」を高等学校等で実施してきました。
この「一日司法書士」では、これからの社会の担い手となる高校生に司法書士が深くかかわってきた裁判、登記等の制度や社会的活動を理解し、今後の社会生活の一助にしていただくとともに職業選択の機会としても考えていただくことを目的としています。
今回は、福岡市内の高校に開催のご案内をかけたところ4名の高校生に一日司法書士として参加していただきました。
3 一日司法書士を実施してみて
今回の「一日司法書士」では、下記のとおりに実施いたしました。
(1)DVD放映による司法書士業務の紹介
NHKで放映されたテレビ番組を見ていだいた後、司法書士のことが分かる本を活用し、司法書士業務の紹介をいたしました。
(2)司法書士事務所の見学
司法書士業務の紹介をした後、実際の司法書士事務所を見てもらいました。仮の不動産登記の申請書等を用意していただきどのようにして申請するか等を経験してもらいました。
(3)法務局見学
法務局の仕事の案内を法務局職員よりお話ししていただいた後、実際に不動産登記簿謄本及び商業登記簿謄本を取得しました。また、不動産登記部門及び商業登記部門において、登記に関するお話しをお伺いしました。
(4)裁判所見学
裁判所職員の方から裁判所の説明をお話ししていただいた後、法衣を着させていただき、法廷にたたせていただきました。その後、実際の簡易裁判所の案件を傍聴し、裁判官に質問をいたしました。
最後に参加した高校生の方からのアンケート一部をご紹介します。
・今日のこの体験をして今まで司法書士について全然知らなかったなぁということを実感させられ、司法書士事務所や法務局に行くことでその内容を深く理解できたし、普段あまり見ることのない裁判の様子を見ることができたので良かったです。
私は、今日のこの体験で学んだことを参考にしてこれからの大学選びや仕事を選ぶときに活かしていきたいです。
・私は中学生の時から司法書士に興味がありました。でも大学の法学部の講義は難しすぎて自分に合わないとあきらめかけていました。でも、今日の体験で法学部に行かなくても司法書士にはなれるし、私でも頑張ったら司法書士になれるかもとプラス思考になれることができました。
・司法書士という職業は私にはあまり関係のない職業だと思っていました。しかし、今日実際に司法書士さんのお話しを聞いて、意外と自分たちの暮らしに身近な職業であることが分かりました。「司法書士」という職業に対するイメージがかなり変わりました。
今日初めて法務局や裁判所に行きましたが、普段できない貴重な体験をすることができました。1日司法書士に参加して本当によかったと思います。
・普段できないことをたくさん経験させていただきありがとうごいました。緊張していてあまり話せなかったけれど、みなさんが優しく接してくれたので本当にうれしかったです。今日学んだことは、今後の進路に役立てていきたいです。