所有者不明土地問題の解消に向けた法改正への対応について(会長声明) | |||
令和5年4月27日 福岡県司法書士会 会 長 猪之鼻 久美子 |
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社会問題化した所有者不明土地問題の解消に向けて、令和3年4月21日「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(以下、「相続土地国庫帰属法」という。)が成立いたしました。 そして、本日、相続土地国庫帰属法が施行され、今後令和6年4月1日には、相続登記の申請の義務化を含む改正不動産登記法の施行が予定されています。 これまで、私たち司法書士は、「登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家」として、国民の権利を擁護し自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とし、相続登記のみならず法定相続情報証明、自筆証書遺言書保管、成年後見、相続財産管理人、不在者財産管理人等の所有者不明土地問題の解消の一助となる業務を行ってきました。また、当会では、司法書士総合相談センターにおいて電話相談等を実施し、多くの相続に関する相談を受けてきました。 そのような中、インターネット上では、一部民間事業者による登記申請書等の自動生成サービスが散見されるようになりました。しかし、登記に関する手続きについて代理することは、司法書士法上、司法書士・弁護士のみに認められている業務であり、「民間事業者が依頼者に代わって登記書類を作成したと評価されるような場合」、「収集した戸籍記載から民間事業者の判断で相続人を特定し依頼者に代わって登記書類を作成したと評価されるような場合」、「個別具体的な事案を前提に登記申請書類の作成に関する相談を受けて回答したり、助言したりして、登記申請書類の作成にあたって依頼者からの相談に応じたと評価されるような場合」には、司法書士法に抵触し罰せられるおそれがあり(令和5年2月21日衆議院予算委員会第三分科会政府参考人法務省民事局長答弁参照)、注意が必要です。 今後も、私たち司法書士は、身近なくらしの中の法律家として、司法書士に課せられた使命を自覚し、新たな制度や法改正にいち早く対応することにより、登記手続の申請書類の作成や申請の代理業務を行うだけではなく、個々の事案に即した説明や助言を行い依頼者の権利及び財産を擁護する業務を行っていきます。 また、当会におきましても、皆さまからのご相談に積極的に応じていく所存です。相続登記をはじめとする所有者不明土地問題に関するご相談は、ぜひとも、私たち司法書士にお寄せください。
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