[2019/10/18]
実務研修会『診断書書式の変更と「本人情報シート」導入の経緯等について』レポート
実務研修会『後見制度利用促進基本計画に基づく診断書書式の
変更と「本人情報シート」導入の経緯等について』レポート
変更と「本人情報シート」導入の経緯等について』レポート
LS広報部 前田 美穂
令和元年9月7日、福岡家庭裁判所 三井弘之 家事次席書記官を講師に迎え、『後見制度利用促進基本計画に基づく診断書書式の変更と「本人情報シート」導入の経緯等について』の実務研修会が天神クリスタルビルで行われました。
1 平成28年5月に施行された「成年後見制度の利用の促進に関する法律」に基づき、平成29年3月に閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画では、①利用者がメリットを実感できる制度・運用への改善、②全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、各地域において、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築を図る、③不正防止を徹底するとともに、利用しやすさとの調和を図り、安心して成年後見制度を利用できる環境を整備する、の3つが理念として上げられています。
さらに、この基本計画を受けて、診断書の書式が改定されるとともに、本人情報シートの書式を作成することになりました。
2 本人情報シートは、主に医師が診断書を作成する際の補助資料として活用することを想定されています。①本人・親族から福祉関係者に対して本人情報シートの作成を依頼し、②福祉関係者から受領したシート原本を本人・親族が診断書作成医に提出し、医師は診断の補助資料として活用して診断書を作成し、③医師に提出する前に取っておいた本人情報シートのコピーを後見の申立書類として家庭裁判所に提出するという流れです。
本人情報シートについては、現状、任意提出とされています。作成できる人がいれば、わかる範囲で作成してほしいとのことでした。推測や想像では書かず、客観的な事実のみを記載することになります。
裁判所としては、本人情報シートはあくまで情報共有のツールととらえており、あまり難しく考えなくてよいとのことでしたが、本人情報シートを作成する側の協力を得るためにも、今後も周知を図っていく必要があると感じました。