りーがるーブログ

[2022/06/20] イベント報告

基調講演3「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインを読み解く」のご紹介

 令和4年3月18日、リーガルサポート本部主催の令和3年度意思決定支援シンポジウム「後見事務における意思決定支援」が開催されました。本シンポジウムは、3つの基調講演とパネルディスカッションから構成され、今回は、基調講演3「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインを読み解く」についてご紹介致します。
 
 講師の水島俊彦弁護士は、初めに保佐人としての判断・決定を迫られる事例を示した上で、保佐人としてどのような判断・決定をするにしろ、こうすべきだという支援者自身のフィルターがかかっていないか・結論を出すのが早過ぎるのではないかという問題を提起されました。水島弁護士によると、意思決定支援は、ご本人の心からの希望・表出された意思を読み解いていくプロセスから始まるとのことです。
 
 障がい者権利条約は、障がいのある人に特別な権利を与えるものではなく、障がいのあるすべての人が他の人と平等に、自ら選択することのできる機会を保障すること(Choice)と、地域社会の中で生活する権利、ご本人にとって意味のある生活を送ることを保障すること(Control)を締約国に求めています。選択(チョイス)を積み重ねることによってその人らしい自分なりの人生を実現する(人生をコントロールする)ことを保障する必要があるという意味です。このチョイス&コントロールを最大化することが条約のコンセプトであり、このことは意思決定支援にも当てはまるとのことです。
 
 また、障害者権利条約12条4項は、意思決定支援に関し、特定の選択肢しか示されていないのにそれが意思決定支援だと言われることのないよう、濫用を防止するための適切かつ効果的な保護を行うことを締約国に求めています。この保護の内容には、ご本人の意思及び選好を尊重することが含まれています。
 
 上記のような意思決定支援に関する基本的な考え方を示したうえで、講義の中では、意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインにおける7つの原則について、紹介及び解説がなされました。詳しくは、下記サイトをご視聴ください。本シンポジウムは、令和4年6月30日まで下記サイトで視聴できます。
https://www.legal-support.or.jp/act/ishisinpo2022/mv
 
 また、「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」の全文は、こちらのサイトからご覧頂けます。
https://www.courts.go.jp/saiban/koukenp/koukenp5/ishiketteisien_kihontekinakangaekata/index.html
 
 リーガルサポートは、会員がこれまでの支援者自身の価値判断に基づいた代行決定から脱却し、意思決定支援を踏まえた後見事務を行うよう、日々の研鑽に努めています。
 

 
  • 行政・福祉関係の職員のみなさまへ無料同行訪問相談のご案内
  • 会員名簿
  • りーがるーの部屋
  • 私たちができること
  • 無料電話相談 お問い合わせはお気軽に 092-738-7050
    受付時間
    月曜日~金曜日13:00~15:00
    祝祭日、年末年始、盆休日を除く
  • 有料面接相談 お電話でのご予約 092-738-1666
    相談時間
    毎週水曜日13:00~15:00のみ
    相談料
    1時間5,000円(税込)
    受付時間
    月曜日~金曜日13:00~16:00 祝祭日、年末年始、盆休日を除く
    メールでの予約申し込み
  • リーガルサポートふくおか

    〒810-0073
    福岡市中央区舞鶴三丁目2番23号
    (司法書士会館内)

  • 福岡県司法書士会

ページの上へ