[2025/05/08]

「後見業務における地域的特質と課題の探求~アンケートから浮かび上がるInsights~」レポート
リーガルサポート関東Aブロック研究大会
第1分科会「後見業務における地域的特質と課題の探求~(関東Aブロック)アンケートから浮かび上がるInsights~」レポート
令和7年4月5日、リーガルサポート関東Aブロック研究大会が、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市中央区万代島6番1号)にて開催されました。この度、本研究大会内の第1分科会に参加いたしましたので、そのご報告をします。
【第1部 関東Aブロック後見アンケート 結果報告】
関東Aブロックとは、茨城、栃木、群馬、静岡、山梨、長野、新潟の計7県内に存在するリーガルサポート支部にて構成される団体であり、本研究大会は、関東Aブロック内のメンバーで構成される後見業務研究チームによる研究成果報告会でした。
第1部では、関東Aブロック内のリーガルサポート会員を対象とした後見業務に関するアンケート結果の発表が行われました。各支部の代表者より、各支部内のアンケート結果の報告がなされました。
まず1つ目のアンケートは、「会員数、男女比、会員年代、後見業務歴、総受任件数、事務所所在地」に関するアンケートでした。後見業務受任可能な会員が1名しかいない地域があったり、また、会員の平均年齢の高齢化について言及がされていました。
続いて2つ目のアンケートは、「受任件数、単独受任、複数受任の件数」に関するアンケートでした。静岡と新潟を除き保佐・補助の事件数が少ないことなどについて触れられました。
続いて3つ目のアンケートは、「受任経路、面会頻度、面会時間、面会への移動時間」に関するアンケートでした。本人との面会頻度または時間が少ない会員が多い結果となっている旨の説明がなされました。
最後に4つ目のアンケートは、「本人の年齢、居所、申立障害、財産、報酬」に関するアンケートでした。このパートでは特に本人の居所について触れられ、申立段階から施設に居住している方が多かった結果となりました。
【第2部 パネルディスカッション~アンケート結果から浮かび上がった課題について~】
第2部では、第1部で報告がなされたアンケート結果を基に、その結果から浮かび上がる課題についてのパネルディスカッションが行われました。こちらの登壇者についても、各支部の代表者が登壇されていました。
1つ目のテーマは、「面会時間、面会頻度、受任経路」についてでした。こちらでは、面会頻度や時間が少ない原因についてディスカッションが行われました。後見業務をやらなくなる会員が多くなっており、その結果1人の受任数が多くなってしまうことにより手が回らなくなっているのではないかといった意見や、本人の居所に受任可能な会員がいないことで遠方の会員が受任することとなり、面会するための移動時間が長くなることが原因なのではないかといった意見が述べられました。
2つ目のテーマは、「保佐・補助」についてでした。こちらでは、保佐・補助の事件数が少ない原因についてディスカッションが行われました。後見等について積極的に取り組んでいたりノウハウのある社協が少ないことが原因なのではないかといった意見や、後見と比べ困難事案となるケースが多くなることから支部推薦を辞退する会員が多くなるのではないかといった意見が述べられました。
3つ目のテーマは、「本人の居所」についてでした。こちらでは、本人の居所が精神障害や知的障害のある本人も含め、施設が多い要因についてディスカッションが行われました。早い段階から後見制度を利用する方が少なく、在宅の方が少なくなっているのではないかといった意見が述べられました。
4つ目のテーマは、「会員年齢、受任件数」についてでした。会員の高齢化に起因する問題についてディスカッションが行われました。高齢となった会員が業務を廃止し、後見業務の引継ぎの対応に困っているといった意見や、若い会員がいたとしても登記業務等をメインに行っており、若手の中で後見業務を行う会員が少ないのが現状であるといった意見が述べられました。
最後の5つ目のテーマは、「本人の財産、後見報酬」についてでした。こちらでは、本人の財産と後見報酬の関係性についてディスカッションが行われました。やはり本人の財産が僅少だと無報酬となってしまうことが一定数あることについて、報酬助成制度を首長申立てに限定している市町村が多いことが原因ではないかといった意見が述べられました。
【最後に】
最後に各登壇者による所感が述べられ、計2部に分かれた分科会は終了しました。本分科会に参加して特に感じたことは、各地域に特質の違いはあるものの似たような課題を抱えているということでした。このような課題を解決するには、法改正といった根本的な変革を行うしかないのではと個人的には感じました。初めて研究大会に参加しましたが印象に残る内容が多く、また機会があれば参加し皆様へ内容をお伝えできればと思います。
第1分科会「後見業務における地域的特質と課題の探求~(関東Aブロック)アンケートから浮かび上がるInsights~」レポート
令和7年4月5日、リーガルサポート関東Aブロック研究大会が、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市中央区万代島6番1号)にて開催されました。この度、本研究大会内の第1分科会に参加いたしましたので、そのご報告をします。
【第1部 関東Aブロック後見アンケート 結果報告】
関東Aブロックとは、茨城、栃木、群馬、静岡、山梨、長野、新潟の計7県内に存在するリーガルサポート支部にて構成される団体であり、本研究大会は、関東Aブロック内のメンバーで構成される後見業務研究チームによる研究成果報告会でした。
第1部では、関東Aブロック内のリーガルサポート会員を対象とした後見業務に関するアンケート結果の発表が行われました。各支部の代表者より、各支部内のアンケート結果の報告がなされました。
まず1つ目のアンケートは、「会員数、男女比、会員年代、後見業務歴、総受任件数、事務所所在地」に関するアンケートでした。後見業務受任可能な会員が1名しかいない地域があったり、また、会員の平均年齢の高齢化について言及がされていました。
続いて2つ目のアンケートは、「受任件数、単独受任、複数受任の件数」に関するアンケートでした。静岡と新潟を除き保佐・補助の事件数が少ないことなどについて触れられました。
続いて3つ目のアンケートは、「受任経路、面会頻度、面会時間、面会への移動時間」に関するアンケートでした。本人との面会頻度または時間が少ない会員が多い結果となっている旨の説明がなされました。
最後に4つ目のアンケートは、「本人の年齢、居所、申立障害、財産、報酬」に関するアンケートでした。このパートでは特に本人の居所について触れられ、申立段階から施設に居住している方が多かった結果となりました。
【第2部 パネルディスカッション~アンケート結果から浮かび上がった課題について~】
第2部では、第1部で報告がなされたアンケート結果を基に、その結果から浮かび上がる課題についてのパネルディスカッションが行われました。こちらの登壇者についても、各支部の代表者が登壇されていました。
1つ目のテーマは、「面会時間、面会頻度、受任経路」についてでした。こちらでは、面会頻度や時間が少ない原因についてディスカッションが行われました。後見業務をやらなくなる会員が多くなっており、その結果1人の受任数が多くなってしまうことにより手が回らなくなっているのではないかといった意見や、本人の居所に受任可能な会員がいないことで遠方の会員が受任することとなり、面会するための移動時間が長くなることが原因なのではないかといった意見が述べられました。
2つ目のテーマは、「保佐・補助」についてでした。こちらでは、保佐・補助の事件数が少ない原因についてディスカッションが行われました。後見等について積極的に取り組んでいたりノウハウのある社協が少ないことが原因なのではないかといった意見や、後見と比べ困難事案となるケースが多くなることから支部推薦を辞退する会員が多くなるのではないかといった意見が述べられました。
3つ目のテーマは、「本人の居所」についてでした。こちらでは、本人の居所が精神障害や知的障害のある本人も含め、施設が多い要因についてディスカッションが行われました。早い段階から後見制度を利用する方が少なく、在宅の方が少なくなっているのではないかといった意見が述べられました。
4つ目のテーマは、「会員年齢、受任件数」についてでした。会員の高齢化に起因する問題についてディスカッションが行われました。高齢となった会員が業務を廃止し、後見業務の引継ぎの対応に困っているといった意見や、若い会員がいたとしても登記業務等をメインに行っており、若手の中で後見業務を行う会員が少ないのが現状であるといった意見が述べられました。
最後の5つ目のテーマは、「本人の財産、後見報酬」についてでした。こちらでは、本人の財産と後見報酬の関係性についてディスカッションが行われました。やはり本人の財産が僅少だと無報酬となってしまうことが一定数あることについて、報酬助成制度を首長申立てに限定している市町村が多いことが原因ではないかといった意見が述べられました。
【最後に】
最後に各登壇者による所感が述べられ、計2部に分かれた分科会は終了しました。本分科会に参加して特に感じたことは、各地域に特質の違いはあるものの似たような課題を抱えているということでした。このような課題を解決するには、法改正といった根本的な変革を行うしかないのではと個人的には感じました。初めて研究大会に参加しましたが印象に残る内容が多く、また機会があれば参加し皆様へ内容をお伝えできればと思います。