[2018/03/29]
平成29年度「未成年後見・子どもの権利に関する研修会」レポート①
平成30年2月3日、兵庫県司法書士会館において、日本司法書士会連合会主催の、子どもの権利に関する研修会が行われました。その模様を前半の【第1講・第2講】、後半の【第3講・第4講】の2回に分けてお伝えします。
第1講では、早稲田大学法学学術院の棚村政行教授が、「親権と子どもの権利について」と題して講義されました。親の離婚増加に伴って、子の親権・監護をめぐる紛争も増加し、ここ10年で2~3倍になっているそうです。面会交流や子の引渡、養育費の問題もあり、支援団体が増えることが必要とされています。
第2講では、兵庫県明石市の泉房穂市長が、「明石市におけるこども総合支援に関する取り組みについて」と題して講義されました。泉市長は弁護士であり、社会福祉士でもありますが、市長になる前から成年後見人や未成年後見人を務められ、市長就任後も5人の成年後見人と2人の未成年後見人を続けられたそうです。
「これからの明石のまちをつくるのは、今の明石のこどもたち」、「頑張るこどもたちをまち全体で応援する」ということを基本理念とし、離婚前後のこども養育支援や無戸籍者支援などを実行されています。具体的には、養育費・面会交流などの取り決めに関する書式を作成し、離婚届とともに配布しています。この明石市の書式をもとに、法務省が手引きを作成して、平成28年10月から全国で配布されているそうです。その他、離婚後の子育てに関する相談体制を充実させたり、明石市が直轄で面会交流のコーディネートを行ったり、養育費確保に向けた講座を開催したりしています。また、泉市長がおっしゃるには、戸籍がないために受けられないサービスはパスポートの取得と正式な婚姻ぐらいで、ほとんどの行政サービスは、無戸籍者であっても利用が可能であるとのことでした。そのため、明石市では、無戸籍者のための相談窓口を市民相談室に開設したり、庁内体制を整備したりして対応しているそうです。
また、行政側の利便性ではなく、子ども目線を重視して行っている施策の一つとして、児童扶養手当の毎月支給が上げられます。現行の支給方法は4か月に一度まとめて支給するというものですが、明石市では家庭訪問をし、子どもが元気かを職員が確認してから毎月手渡しで支給しています。会えない場合には、夜でも土日でも訪問するそうです。
支援というと一般的には貧困対策になりがちですが、それでは子どもではなく親によって判断していることになります。明石市の場合は貧困家庭に限定せず、すべての子どもたちを対象とし、一人の子どものことであっても寄り添うのだというお話が印象的でした。
第1講では、早稲田大学法学学術院の棚村政行教授が、「親権と子どもの権利について」と題して講義されました。親の離婚増加に伴って、子の親権・監護をめぐる紛争も増加し、ここ10年で2~3倍になっているそうです。面会交流や子の引渡、養育費の問題もあり、支援団体が増えることが必要とされています。
第2講では、兵庫県明石市の泉房穂市長が、「明石市におけるこども総合支援に関する取り組みについて」と題して講義されました。泉市長は弁護士であり、社会福祉士でもありますが、市長になる前から成年後見人や未成年後見人を務められ、市長就任後も5人の成年後見人と2人の未成年後見人を続けられたそうです。
「これからの明石のまちをつくるのは、今の明石のこどもたち」、「頑張るこどもたちをまち全体で応援する」ということを基本理念とし、離婚前後のこども養育支援や無戸籍者支援などを実行されています。具体的には、養育費・面会交流などの取り決めに関する書式を作成し、離婚届とともに配布しています。この明石市の書式をもとに、法務省が手引きを作成して、平成28年10月から全国で配布されているそうです。その他、離婚後の子育てに関する相談体制を充実させたり、明石市が直轄で面会交流のコーディネートを行ったり、養育費確保に向けた講座を開催したりしています。また、泉市長がおっしゃるには、戸籍がないために受けられないサービスはパスポートの取得と正式な婚姻ぐらいで、ほとんどの行政サービスは、無戸籍者であっても利用が可能であるとのことでした。そのため、明石市では、無戸籍者のための相談窓口を市民相談室に開設したり、庁内体制を整備したりして対応しているそうです。
また、行政側の利便性ではなく、子ども目線を重視して行っている施策の一つとして、児童扶養手当の毎月支給が上げられます。現行の支給方法は4か月に一度まとめて支給するというものですが、明石市では家庭訪問をし、子どもが元気かを職員が確認してから毎月手渡しで支給しています。会えない場合には、夜でも土日でも訪問するそうです。
支援というと一般的には貧困対策になりがちですが、それでは子どもではなく親によって判断していることになります。明石市の場合は貧困家庭に限定せず、すべての子どもたちを対象とし、一人の子どものことであっても寄り添うのだというお話が印象的でした。