りーがるーブログ

[2018/10/23] 報告

平成30年度未成年後見研修会レポート

 平成30年8月25日、市ヶ谷大郷ビルにおいて、日本司法書士会連合会(以下、日司連)主催の未成年後見研修会が行われました。

 第1講「児童相談所の役割と未成年後見人に期待すること」では、自身も長く児童相談所において子どもたちと関わってこられた、公益社団法人日本社会福祉士会アドバイザーの愛沢隆一氏が、児童相談所の機能と子どもを取り巻く状況について講義されました。児童相談所による一時保護は緊急性が高い場合に行われますが、一時保護の後に家庭に戻れない子どもの多くは児童養護施設に行きます。しかし、児童養護施設職員も児童相談所の担当児童福祉士等も数年で変わることが多いため、長く関わる大人がいないことは子どもにとって重大な問題になるということでした。

 第2講「未成年後見制度(後見人の権限・義務・責任)」では、立命館大学法学部の本山敦教授が学術的な面から講義されました。しかし、民法(家族法)において、未成年後見に関する専門書はまだ出ておらず、研究者もおらず、層の厚い家族法分野においてぽっかり空いた空白地帯なのだそうです。

 第3講「子どもの権利条約」では、NPO法人くまもと子どもの人権テーブル代表の砂川真澄氏が、子どもの権利条約を子ども支援の羅針盤にというテーマで講義されました。

 第4講「司法書士による未成年後見のあるべき姿を考える」では、パネリストとして上記三氏に日司連市民の権利擁護推進室子どもの権利擁護部会の森田みさ副部会長を加え、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート未成年後見準備検討委員会担当の久保隆明常任理事がコーディネーターとなってパネルディスカッションが行われました。森田副部会長はこれまで10件もの未成年後見業務を行ってきており、中でも、社会的養護の中の子どもはお金がなく、むしろ大人になってどのように生活していくかを一緒に考えることが必要だという指摘が特に印象に残りました。

 今回の研修会を通し、子どもに長く関わる大人が必要とされていること、未成年後見に関する学術的な研究が進んでいないために実例を積み重ねてより良い法制度に変えていく必要があること、親代わりというよりも一緒に考えていける大人が存在することが子どもにとって重要だということを実感しました。

 
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