任意後見制度ってどんな制度?
任意後見制度は、まだしっかりと自分で判断ができるうちに、自分の判断能力が衰えてきた時に備えて、あらかじめ支援者(任意後見人)を誰にするか、将来の財産管理や身の回りのことについてその人に何を支援してもらうか、自分で決めておくことができる仕組みです。
今は大丈夫だけれども、老化や認知症、脳梗塞といった病気、突発的な事故で脳に損傷を受けてしまったり…。判断能力が十分に発揮できなくなってしまうことは誰にでもありうることです。
「任意後見制度」は、そのような場合に備えて、「誰に」「どんなことを頼むか」「自分で決めておく」ことで、将来にわたって自分の希望する暮らし方を実現させる方法のひとつです。
どんな人に頼めるの?
では、誰を支援者に選ぶことができるのでしょうか?
基本的には、支援できる人であればどんな人でも支援者になることができます。たとえば、自分の子どもや孫はもちろん、交流のある甥姪や親しくしていて信用のおける友人。支援者を選ぶことは、非常に重要なことです。
十分に検討して、この人なら任せても安心と思える人に支援をお願いしましょう。
もし、そのような人が身近にいない場合には、リーガルサポートふくおかにご相談ください。会員の中から任意後見契約の受任者の候補をご紹介し、支援させていただくこともできます。
手続きはどうしたらいいの?
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公証役場(公証人役場)とは、公証人が公正証書の作成、私文書の認証、確定日付の付与等の執務を行うところです。
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任意後見制度の利用は、本人と本人の選んだ支援者(任意後見人の予定者のことで、以下「受任者」という)とが「任意後見契約」を結ぶことによって始まります。
「任意後見契約書」は、公証人によって作成される公正証書という公文書で作成しなければなりません。任意後見契約を結ぶことで、受任者に様々な権限を与えることになります。だからこそ、委任する本人の意思を確認するため、また契約内容が法律に反しないものにするために公正証書で作成する必要があるのです。
また、「委任事項」を何にするかは、財産管理や身上監護を目的とする法律行為であれば基本的には自由です。一方で、介護や身の回りの世話、身元保証・身元引受、代理に親しまない行為(遺言や婚姻といった本人にしかできないこと)等、委任できない事項もあります。また包括的代理権(全てのことについての代理権)を与えるという契約も認められません。委任事項はとても大事なことですので、できることとできないことを十分に確認し、慎重に検討してみてください。
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本人の判断能力に衰えが現れ始めた場合、本人やその配偶者・4親等内の親族等又は任意後見受任者から本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選んでもらうように申立てをします。
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家庭裁判所から任意後見監督人が選ばれると、任意後見契約の効力が発生します。これにより、受任者は「任意後見人」として、本人のために任意後見契約で定めた契約(法律行為)を実行することができるようになります。
なお、任意後見人への報酬もまた、任意後見契約書で定めておく必要があります。
任意後見人は、原則本人が亡くなるまで本人の支援を行います。しかし任意後見は「契約」ですので、いつでも止めることもできます。以下のように止める時期で手続きが異なりますので、注意が必要です。
(1)任意後見監督人選任前・・・公証役場で公証人の認証を受けた書面で契約の解除をします。
(2)任意後見監督人選任後・・・解除するには家庭裁判所の許可が必要です。 - ※5:
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任意後見監督人は、任意後見人が任意後見契約の内容にしたがって適正に仕事を行っているかどうか、任意後見人から財産目録などを提出させチェックすることで、任意後見人を監督します。また、本人と任意後見人の利益が相反する法律行為が行われるときには、任意後見監督人が本人を代理します。任意後見監督人は、その事務の適正性について家庭裁判所の監督を受けることになります。
なお、任意後見監督人に対する報酬は、任意後見監督人から家庭裁判所に報酬付与の申立てが行われた場合、家庭裁判所の判断により本人の財産から支払われることになります。