Q&A

労働トラブルについて

残業代未払い、解雇についてなど労働にまつわるさまざまなトラブルのQ&Aを作成いたしました。 ぜひご覧ください。

質問一覧

労働者の権利を保護する法律について教えてください。
働く上で重要なことは、賃金や労働時間をはじめとする労働条件です。この労働条件の最低基準を定めているのが労働基準法です。労働基準法で定められている労働条件の基準は、使用者が守らなければならない最低の基準です。労働基準法に定める基準に達しない労働契約は、その部分については無効となり、無効となった部分は労働基準法に定める基準によると定められています。
なお、パートタイム労働者にも労働基準法の適用はありますし、法令違反の会社(使用者)には罰則が科せられます。
私は、持ち込みトラックで長距離配送をしてますが、会社からは従業員ではないので残業代は出せないと言われました。残業代を請求することはできないのでしょうか?
労働基準法において「労働者」とは、「職業を問わず、事業または事業所に使用される者で、賃金の支払われる者をいいます。 判断基準は、(1)使用従属関係の存在 (2)賃金の支払いの存在の2点が挙げられますが具体的には判例や行政通達により「個別事例」ごとに実態に即して判断されることとなります。
持ち込みトラックによる長距離運転の場合には、裁判例においては労働者性が「否定」されることが多いようです。
パートタイムやアルバイトで働いている労働者も、有給休暇は取れるのでしょうか?
労働者が休日のほかに有給で休むことができるのが年次有給休暇(年休)です。
年休は、正社員の場合、雇入れの日から6か月継続勤務し、勤務すべき日の8割以上出勤すれば10日、その後は1年継続するごとに1日ずつ増え、3年6か月目 からは2日ずつ増えて最高20日まで取ることができます。
週の労働時間が30時間未満で、週4日以下の勤務のパートタイム労働者やアルバイト労働者については、上記の正社員の付与日数をもとに、労働日数の比率を考慮した比例付与日数となります。
年休は、事前に休みを申し出るだけでよく、どのような目的に使っても自由ですが、会社が請求された日に休暇を与えると会社の運営に重大な影響がでるなどの事情があるときに限って他の日に変更される場合があります。
また、労働者が年休を取得したことに対して、会社がその労働者に対して不利益な扱いをすることは禁じられています。
年休は、2年の時効にかかりますので、年休の発生から2年を経過するまでは繰り越し使用することができます。
ほとんど毎日、毎週のように残業・休日出勤をしているのに残業代や割増賃金を支払ってくれません。
会社にはタイムカード等はなく自己申告制なのですが、会社が残業・休日出勤の事実を認めなければ、泣き寝入りするしかないのでしょうか?
確かに労働時間の証明には、タイムカードの打刻時刻が最も有効とされています。
しかし、もし会社でパソコンを使用している場合は、パソコンの立ち上げ・立ち下げの記録データも労働時間の証明に役立ちます。また、労働時間に関して自己申告制の場合は、出社時刻および帰社時刻をメモした日記なども労働時間の算定に関して、有力な証拠となりえます。
さらに、裁判例では、これといった証拠がなくても、会社が従業員の残業を把握しながら放置していた場合は、残業の事実を認めるとしたものもあります。
社長からいきなり明日から来なくていいと言われました。このまま私はクビになってしまうのでしょうか。
理由もわかりません。私にも生活があるので、このままでは本当に困ります。
解雇いわいるクビはきちんとした理由がなく、相当と認められない場合は 使用者、ここで言う社長がその権利を乱用したものとして無効になります。
また、解雇が認められる理由があったとしても、使用者は労働者に対し、少なくとも、30日前に予告しなければならず、その予告をしない場合は、使用者は30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
よって、合理的な理由がなければ、あなたはクビにはならず、万が一、会社側に合理的な理由があったとしても、原則として、「明日から来なくていい。」とはなりません。
せっかく会社への採用が決まったのに、突然内定を取り消されてしまいました。
内定をいただいた時点で、雇用契約は成立しておりますので、内定後の「内定取り消し」は 解雇と同様の扱いとなります。従いまして、解雇同様に「合理的な理由」があり、かつそれが「社会通念上相当なもの」である場合でない限り、内定取り消しはできません。
私は建築会社の派遣をしています。もともとの派遣先はB社だったのですが、半年前 からB社からC社に行くようにB社から指示され、現在はC社の指揮命令下で 働かれています。
最近、C社の業績が悪化しており、派遣社員は全員解雇されることとなりました。 私としては仕事がなくなると困るので、B社に戻って働きたいと考えているのですが、派遣元A社に行っても解雇するというばかりです。A社およびB社に対してどんな主張ができるでしょうか。
派遣元であるA社の行う解雇は無効になると考えられます。また、B社は自ら雇用しない (この場合、雇用は派遣先であるA社である)労働者をC社に派遣しておりますので、 労働者供給事業に該当し、B社とC社は、いずれも職安法44条違反ということになります。
私はA(女性)と申します。
私の勤務する会社で「忘年会」がありましたが、その席で直属の上司にあたるB部長から「お酌」をすることを強要されたり、胸をさわられたりしました。それがトラウマになって会社に出勤するのが非常に不安になり、うつ状態になってしまいました。どうすればよいのでしょうか?
雇用主である会社には、雇用契約締結時に「セクハラを防止する義務」が付随的に発生いたします。
会社の行事の一環として「忘年会」が開催されたのであれば、その場での上司の行為は「勤務地での言動」に該当しますので、セクハラが成立すると考えられます。 会社の総務や人事、もしくは支社長・支店長に相談の上、然るべき措置「上司B部長への注意やAさんへの謝罪、適切な配転など」を執るように申し入れを行ってみてください。
それでも会社がなんの措置も執らないようであれば、労働契約法第5条「労働契約における安全配慮義務」に違反することとなり、会社に対しても損害賠償を請求することが可能となります。
入社したばかりの新社員です。労働時間外に、上司からゴルフや麻雀に無理に付き合わされます。
また、飲めない酒を飲まされたり、好きでもないカラオケを無理に歌わされたりして非常に苦痛です。
断ると、職場で無視されたり、協調性のない人間であると罵られます。
この程度のことは、社会人として甘受しなければならないのでしょうか?
パワー・ハラスメントとは、一般には、「職場などの力関係を背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、労働者の働く環境を悪化させ、または雇用不安を与えること」と定義されています。
いじめを行った上司や同僚は、人格権の侵害、働きやすい環境で働く権利の侵害として、不法行為責任が問われます。さらに、会社(使用者)は、いじめを行った労働者とともに、損害賠償責任を負うこともあります。
もしも被害にあった場合は、家族や友人、専門医に相談し、悩んで自分を追い込んだり、無理をしないようにしましょう。そして、会社内の理解のある上司や相談窓口や労働組合や法律専門家に相談し、相手方に「あなたの行為はパワハラだ、止めて欲しい」と言って事実を明らかにすることも大事です。場合によっては法的手段をとることも考えられます。
先日、勤めていた会社を退職したのですが、その会社が雇用保険に加入しておりませんでした。
どうすればよいのでしょうか?
事業主が労働者を雇用する場合には、それが1名だけであっても雇用保険に加入しなければなりません(一部例外あり)。 労働者が被保険者であるにもかかわらず、事業主が加入の手続きをしていない場合、資格取得届を提出した日から最大2年遡って加入することができます(2年分の保険料は、料率に応じて労働者と事業主の双方負担となります)。
また、給与から雇用保険料が天引きされていたことが明らかなのにもかかわらず、加入の手続きがなされていなかった場合、2年を超えて遡って加入することができます(平成22年10月1日以降に離職した労働者または在職中の労働者が対象です)。 ハローワークで相談の上、しかるべき手続きを行ってください。