5月5(火) 曇り ホテルに入って3日目になる。朝も、昼も、夜も暇があると3人とも眠った。 昨夜ヤンプーと別れる際に、5日の夕食は夫人の手料理を差し上げたいと招待されていたが、帰国当日であり、また荷物の整理など帰国の準備もあり、時間的にも余裕がなく、丁重にお断りの電話を入れると彼も残念がっていたが、夫人からのお土産があるので夕方5時にホテルに行きますといって電話を切った。 年長の一山さんはホテルで休み、若い?藤田さんは少し離れた古都に観光に出かけた。私は一人午後から街に出て旧王宮への道を歩き、妻や娘の土産を捜していると流暢な日本語で話しかけられた。ぜひ自分の店を見てくれと言う。どこで日本語を習ったのか聞くと、この周辺の商店主でグループを作り、日本人の留学生から習ったそうである。「カモになってみるか」と狭い入り口を通って2階に案内されると意外に広い。問屋のように商品が積み上げてある。時間は十分にあるのでゆっくり品物を選び満足する土産を買うことができた。 夕方5時ヤンプーと夫人、それにプルパがやってきた。夫人手作りのヤクの毛で作った帽子をお土産に頂いた。三つとも同じ配色のしっかり編まれた帽子で、恐らく世界に三つしかないのではないかと3人で悦に入って被った。 昨夜食事会の時にプルパが何か書き物がほしいといっていたので、3人で協議して感謝状を書いた。私たちの感謝状がどれだけの価値があるか知れないが、彼らにしてみれば客から感謝状を貰うということは、それだけ仕事を評価して貰ったことになるのかもしれない。プルパも大変喜んでいた。 夜10時に空港に送るために迎えに来ますといって彼らは帰っていった。 |
ヤンサ・チェンジ 6543m |
左 ヤンサ・チェンジ |
5月6(水) 晴 昨夜は深夜の出発にもかかわらず、ヤンプー、夫人、プルパ、パサンの4人が空港まで送ってくれた。2週間も行動を共にするとそれだけ絆も深くなる。彼らは夫々がシェルパ族の儀式である白い絹のスカーフを送ってくれた。 行きと同じコースを逆に辿り、予定通り福岡空港に到着。 山岳会の仲間達が迎えに来ていて登頂成功を祝福してくれた。 今回の登山は山の楽しい想い出と共にこの山を通じて知り合った副島さんを始め、ヤンプーら今後も友人としてつき会える良い人達との出逢いでもあった。 |