B.CからキャンプIへ
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5月2日(火)
空は晴れて周囲の山もその全容を現した。冷たい風が通り過ぎて行く。今日からいよいよ雪線を越えた本格的な登山活動に入る。日本人は私と一山、高松の3人。ネパ−ル人はヤンプ−、プルパ、ミンマの3人、合計6人のチ−ムである。ベ−スキャンプから牧草地の踏み跡を辿り、テントピ−クの裾を捲いて、岩のガラガラした小さな尾根をいくつか越えて歩き、昨日アイゼン等をデポした小ピ−クに達する。
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C1へ出発の朝
一山と高松
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昨日辿った経験済みのコ−スであるが体の動きは鈍い。やがて雪線を越えて登るがアイゼンを履くほどの状態でもない。小さな隆起を越えながら南東山稜を目指して行くと氷河の末端に達した。頭上の氷壁から落ちかかった岩が無数に顔を覗かせている。早急に通過しなければならないコ−スであるが体の動きが鈍い。雪面が緩む午後の通過は充分注意を要する場所である。
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朝からガスが出てきた
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クレバスを横にみて、小尾根を越え、南東山稜の大きな岩壁の裾にシェルパ達が設営したキャンプI(4,900m)に午後の早い時間に到着した。プルパとミンマはすでに上方の偵察に出かけて留守であった。C.Iについて休憩していると、ヤンプ−が頭痛を訴えた。「高山病に掛かったみたいなので、私はベ−スキャンプまで一度下り、また明日登ってくる。
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氷河末端を抜けてC1へ
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代わりにナム・ギャルを登らせるが彼は強い男だから頼りになるよ」といったが他のシェルパは日本語が話せない。こちらの不安をよそにヤンプ−は一人山を降りていった。夜の定時交信をB.Cに入れると心配していた藤井外2名のトレッキングチ−ムも予定どおり到着していた。
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C1
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